2014年8月24日日曜日

日本人の食物繊維摂取量は大幅に減少している

かつて、野菜や穀物の外皮や筋などは不要のものとみなされていました。栄養的にも、消化されない邪魔ものでした。けれども、食物繊維の研究が進むにつれて、邪魔ものに実にさまざまな生理作用があることが判明。健康維持、増進に欠かせない成分として見直され始めました。
人間が生きていくうえで欠かせないエネルギー源となるのが三大栄養素といわれている糖質、脂質、タンパク質。さらに体調を準えるビタミンとミネラルを加えて五大栄養素と呼ばれていますが、これにもう1つ、重要な第6の栄養素として加えられるべき存在となったのが『食物繊維』なのです。
雑穀米や玄米が見直されたり、全粒粉で作るカンパーニュが人気を集めたりしている昨今です。けれども、それはごく一部の世界の話。毎日の食生活の欧米化や加工食品やファーストフード、インスタント食品の出現により、日本人の食物繊維摂取量は、この30年間で20%以上も減っているのが現状です。
食物繊維摂取量に反比例して増えたのが、便秘、大腸ガン、乳ガン、糖尿病などの生活習慣病です。

こちらを読むと現代人の腸が危機的な状態に陥っていることが数字からもよくわかります。

食物繊維の目標摂取量は、1日当たり20~25gとされています。しかし、昭和26年に27.2gだった平均摂取量が、平成13年にはわずか14.6g。日本人の食物繊維摂取量が年々、減少の一途をたどっていることがわかります。そのいちばんの原因として、食卓のメニューの変化があげられます。
かつては野菜をゆでる、煮るなどのひと手間をかけておひたしや煮物で野菜を存分に食べていた日本人ですが、生野菜を盛りつけるだけの手軽なサラダに変わることで、野菜の摂取量が減少しました。煮物は妙め物に変化することによって、油脂がプラスされる結果になりました。
骨がある魚は敬遠され、手間のかからない肉料理が主役になっていったのです。
さらに、年齢段階別食物繊維摂取量を見ると、20代、30代の若い世代に食物繊維摂取量が少ないことがわかります。これは、若い世代ほど食生活が不規則になりやすく、スナック菓子やファーストフードなどを好んでいることの現われ。中高年の世代と数値が異なることから、家族といっしょに食卓につかずに、個々に好きなものを食べている食卓のシーンが浮かび上がります。

0 件のコメント:

コメントを投稿